やまねえの東北応援日記

横浜からいわきに移住して、思ったことをつれづれ書いていきます  (このブログは個人の責任で発信しています。所属団体や紹介団体の意見ではありませんのでご了承ください)

「東日本桜前線」が福島県いわきにやって来た

「今年は東北も桜が早いから、下見と思っていわきまで足を伸ばしたんだけど、そしたらやまねえに会わないとと思って」

写真家・伊藤洋佑さんが「東日本桜前線」と名づけたプロジェクト。2011年の春から桜の時期に、地元神奈川県から自家用車で、北茨城から東北の北端まで、東日本大震災被災地の姿を、桜を撮影するという形で残している。

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ワタシが、2011年初夏にライターとして活動を始めた時に、一番初めに取材をしたのが伊藤くんだった。311直後に神奈川県で集まったボランティアつながりの一人でもあったのだけど、インタビューをしたところ共感できるところがたくさんあって、取材なんだか雑談なんだかわからないくらいに盛り上がったことを昨日のように思い出す。

「被災地の桜」から見えたことを伝えたい-東日本桜前線 伊藤洋佑(ひろすけ)さん | かなマグ.net


「やまねえ福島でがんばってるから、はいコレ!」
いわき市植田の居酒屋「一心」で伊藤くんがくれたのは、東日本大震災から1年後の2012年「東日本桜前線」として自身が撮影した茨城~福島の、桜の写真集。
そこには、ワタシが今暮らし、毎日見ている、福島県いわき市の植田地区、勿来地区の桜がおさめられていた。
ワタシがいわきに来たのは、2014年の9月。伊藤くんがこの桜を撮影したのは、その2年半前。ワタシが毎日足を運んでるプレハブの職場もまだ無くて、震災の傷跡がまだまだ生々しい時期の桜たちだった。

「復興がなかなか進まない」と言われて久しいけれど、こうして定点観測して見ると、少しずつではあるけれど、東北は確実に未来に向かって歩みを進めている。ただやっぱり、本当に時間はかかる。

ワタシは今、東北に来たはいいけれど、いったい自分は何かの役に立っているのだろうかと、日々悩んでいて、そんなことをいっぱい伊藤くんにも話した。「がんばってる」なんて、言ってもらえるような立場じゃないんだと。

復興支援というお仕事も、本当に時間がかかって、そして成果も見えにくい。むしろ何が成果かわからない。でもボランティアじゃなくて仕事だから、形や成果が見えないと不安になるし、悩んでしまう。

そんなこんなを植田の素敵な居酒屋「一心」(大事なことだから2度言う!)で、ママと常連客と伊藤くんとワタシ、4人でいろいろ話したのでした。でもやっぱり、時間はかかる。コツコツとやるしかないよね、と。

そうそう。仲良くなった「一心」常連客のお父さんが伊藤くんの「東日本桜前線」の写真集を見て、「あの日を思い出して苦しくなるけど、外の人が自分たちの町をこうして残してくれるのは本当にうれしい」と言っていたのも印象的だった。「東日本桜前線」は、言ってみればアーカイブ。これも時間が経たないと、形や評価にならない活動。でも伝わる人には、ちゃんと伝わるんだ。

伊藤くん、今年もたくさん東北の桜をおさめてね。ワタシもいわきでコツコツとがんばります。

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2012年4月の植田渋川。(『東日本桜前線2012-1(茨城県福島県)』撮影:伊藤洋佑より)

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2014年4月、ほぼ同じ場所。撮影:山根麻衣子 for iPhone