こども食堂を手伝って思うこと徒然~いわき「こども食堂*みらいのたね」の場合
いわきに住んでもうすぐ2年。最近いわき市平で知人が主催する「こども食堂」のお手伝いをしています。
今回のメニューは「豚の生姜焼き」「青菜の胡麻和え」「タケノコとふきの煮物」「ご飯」「味噌汁」「手作りリンゴニンジンジュース」
この日は、子供・大人合計68名の参加。こんな風に配膳してます。
そんな中、こんな記事を見つけました。
この記事を受けて、自身のFacebookにこんなポストをしました。
この記事は、本来「こども食堂」を必要としている「貧困家庭」に情報や支援が届かず、「当事者不在のこども食堂ブーム」に警鐘を鳴らそうという趣旨から始まった記事なのかなと思う。
でも実際にこども食堂を手伝ってみて思うのは、こども食堂の役割って「貧困」に留まらないということ。
貧困家庭じゃなくても、親が共働きで家族そろって食事がとれない家庭、核家族化で親と二人とか孤食になってしまってる家庭、子や孫と離れて暮らしているご年配の方や子供がいない一人暮らしの人(いわゆる私みたいな)も普段は孤食になることが多い。
そういういろんな人がひとところに集まって、わいわい言いながら一緒にご飯を食べること。それって十分に「こども食堂」の役割を果たしていると思うのです。
普段こんなに食べないのに、ここではいっぱい食べたという喜ぶお母さん、照れくさそうにお手伝いの女子高校生とご飯を囲む自治会役員のおじいさん、しばらく疎遠になっていた同級生同士が母になってからここをきっかけにまたわきあいあいとやる仲間に戻る、そして子供も地域とのつながりもなかった私がここを手伝うことによって地域のおとなや子供とつながれること。
いわきのこども食堂では、そんな素敵な出来事が毎回起こっています。もちろんこの記事の冒頭のように、ホントに貧困家庭の子来てるのかな?単にお手伝いしてる大人の家族とその友達だけなんじゃない?って感じることもある。(実際には、問題を抱えた家庭の子も来てるみたい。)
でもそれは多分、もう一段階次のお話なんだと思う。まずはこども食堂が認知されて、継続できる体制になっていくうちに、対峙することなんじゃないかなぁと。
情報を集めるためにGoogleアラートに「こども食堂」というワードを登録してるのですが、今年度に入ってから毎日必ず1件はこども食堂の記事が配信されています。
都心・郊外問わずさまざまなところでこども食堂の動きが始まっているようで、それを受けての冒頭の記事だったのかなと思います。
すでに「こども食堂ネットワーク」という”こども食堂の輪を広げるための連絡会”もできています。
その中に「こども食堂をはじめたい方への「基本のキ」」というPDFが紹介されており、以下の5点についてアドバイスが記載されています。
1.こども食堂にはいろんな形があります
2.「場所」と「ネットワーク」が大切です
3.相談に行ってみましょう
4.こどもたちの安全・安心のために
5.毎回、試行錯誤の連続です
いわきのこども食堂のリーダーをしているYさんは、上記のこども食堂ネットワークの勉強会に行っていただけあり、そのすべてを網羅しているだけでなく、もともと地域とのつながりが強い方だったので、ネットワークも強くてすでに3回開いてるこども食堂の参加者は、毎回こども、大人合わせて50名を超えています。
でも最後にある通り、「毎回、試行錯誤の連続」。終わるたびにもっとこうすればよかったと後悔に襲われるんだそうです。私は毎回単純に楽しませてもらってるので、少しずつでも運営に関わってYさんのお手伝いになれればいいなーと思っています。
町の公民館で毎月1回、わきあいあいとやってます♪
「ストーリーテリング」という魔術~未来会議2016 vol.1 inいわき
4月23日(土)いわきの生涯学習プラザで「未来会議2016 vol.1」が開催されました。
未来会議って何?ってことは、こちらのHP↓
やFacebookページ「未来会議」を参考にしていただくことにして、このブログでは私がこの「未来会議2016 vol.1」に参加し「ストーリーテリング」というワークショップで体感したことを、記憶が新しいうちに書き留めておこうと思います。
手法は後述しますが、このワークショップでは自分が何を大切に思っているか、普段何に気をかけているかということがあぶりだされます。
私の場合それは、
・発信
・人づくり
・福島県とそれ以外の地域とのギャップ
・家族
でした。
もちろん薄々と感じてはいましたが、ワークショップを通してこうもドンピシャにそれらがあぶりだされるとは本当に驚いたし、これから福島で3年間働いていくにあたり、これらを軸にしていくべきなんだろうなと肝に銘じることが出来、個人的にはタイミングもドンピシャで有難く、恵まれた機会だと感じています。
***
「ストーリーテリング」とは自分を語ること。今回のワークショップでは、参加者がランダムな4~5人のグループになり、一人7分で東日本大震災から5年間の自分のストーリーを語り、そのストーリーを聞いた他のメンバーたちがそのストーリーの中でどの部分が響いたのか、キーワードを紙に書きだし、約13分の時間で発表し合います。これを1セットとして、グループのメンバー分繰り返します。
ここで得られることは、
・自分のストーリーを語ることで、自分の中の今までの思いに気付いたり、整理できたりする
・他人のストーリーを聞くことで、思いや当時の出来事を共有できる
ここまでは体験しなくても想像できることだと思います。
タイトルを「魔術」としたのは、ここから起こることがすごいからです。
・他人から自分の話に対する思いを聞くことで、自分の話をどのように聴いてもらえたのか、自分がどのように映ったのか知ることが出来る
だけでなく、
・他人の話を聞いて、自分に響いた部分(紙に書きだしたもの)を並べてみると、それはそのまま自分の思い、関心があぶりだされている
という仕組みになっているのです!
これには本当に驚きました。
前述しましたが、もちろん自分が大切に思うことは何かということは薄々感じてはいます。でもここまでしっかりと突きつけられると、あぁそうかぁと納得せざるを得ません。ちなみに、それは(繰り返しになりますが)
・発信
・人づくり
・福島県とそれ以外の地域とのギャップ
・家族
です。
特に今回自分で驚いたのは、私はこんなにも「家族」のことを大事に思っていたのかということでした。
グループメンバーの一人が、震災当時福島から旦那さんの実家である新潟に避難するとき、自分の両親に「自分たちは福島に留まるけど、あなたは安全なところに逃げてほしい」と言われ、とても仲のいい家族だったので両親を置いていくことに非常に悩み苦しみながら避難したということを話してくれました。(当時は、福島に残す=そこで死ぬというくらいの選択だったのだと思います)
その部分が非常に響いたと彼女に伝えるとき、私は思わず感情移入して泣いてしまったのです。私も非常に家族仲が良いので、もし自分たちが同じ状況に置かれたら、多分ウチの両親も私と妹に同じようなことを言うんじゃないかって、その時自分はどうするのだろうって…瞬時にいろいろ思いが高ぶっちゃったんだと思います。
それから、もう一つは「福島県とそれ以外の地域とのギャップ」についてを、ずっと気にかけていることを再認識したこと。
横浜生まれ横浜育ちの私は、今は福島県いわき市で働いていますが、将来横浜に戻ることになるだろうし、実際ちょいちょい戻っています。その時に感じるギャップや、福島で感じてること、起こってることを、やはりきちんと伝えていかなくてはと強く思っているのです。
でもまだインプットが足りない、アウトプットするスキルが足りない。
ここは本当に頑張らないといけないところだなぁと肝に銘じたところです。
「ストーリーテリング」というワークショップで私が個人的に体験したことを、とにかく書いてみました。備忘録です。
4月に環境(仕事、住まい、コミュニティ)が大きく変わった私が、このタイミングでこのWSを体験できたことは、本当に有難く、ちょっと奇跡的な感じすらしてしまっています。
この機会をくれた、未来会議のみなさん、ファシリテーターの田坂逸朗さん、一緒に参加してくださったみなさんに心からお礼をしたいとともに、これからも一緒にいろいろ作り上げていきたいです。
ありがとうございます&これからもよろしくお願いします!
いわきと双葉の今を知る、感じる~相双地方語り部バスツアーに参加してきました
百聞は一見にしかず。
目と耳と肌と舌と脳みそで、いわきと双葉の今を感じてきました。
この「相双地方語り部バスツアー」は、福島県内の人向けに福島県相双地方振興局が企画した初めてのツアーだそうです。参加費は1000円+お昼代1000円の計2000円(安い!)。
告知は新聞の折り込みと福島民友の記事と語り部ご本人のSNSのシェアのみ。そのためか、40人定員の参加者層はほぼ年配のいわき在住の皆さん(郡山からの乗車も組まれていたのですが数人だったそう)でした。震災後、相双地区とはさまざまな軋轢があると言われているいわき地区の皆さんが、相双地区を知るツアーに数多く参加されるという状況は、非常にいいことなのではないかなと感じました。
(参加した人たちからは、震災以降自分の住んでいたいわき地域以北には行ったことがなかったので、どういう状況か知りたかったという声が多かったです)
今ツアーの語り部は、いわき市出身の社会学者(福島大学特任研究員)の開沼博さん。『はじめての福島学』『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』などの著書のほか、今年2016年1月に発表された「やさしいデータと数字で語る「フクシマ」の虚と実 雇用は激増 離婚は減少 出生率もV字で回復」という記事も話題になりました。また「福島エクスカーション」と題したスタディーツアーを30回以上開催するなど、言葉とリアルな体験、双方で福島の発信をしている方です。
そのため今回のツアーでは、誤解されている福島の現状や福島の歴史を学びながらのバスツアーとなりました。その内容に関しては、一緒に参加した友人Tさんのブログに詳しいので参照ください。
前置きが長くなりました。
私がこのツアーで感じたのは、必死に前を向こうと走っているいわきと相双地方の姿でした。
たとえば、小学校の校庭に仮設で設置されている久之浜の「浜風商店街」では、観光客である我々が到着するや否や通路にお店を展開、コーヒーを振舞い商品を並べ、歓迎・商品の紹介(売り込み)を始めます。(安くておいしいイチゴを買いました♪)
広野町の二ツ沼総合公園では、おそらく震災前と同じように、おじいさんおばあさんとお孫さんたちがパークゴルフを楽しんでいました。
お昼には、楢葉町の名物料理「マミーすいとん」を取り入れた定食がJビレッジのシェフにより用意され、参加者皆さんでおいしくいただきました。(このようなツアーだとお弁当ということが多いので、あたたかいすいとんにみなさんの顔もほころび、参加者同士会話も弾みました。)
楢葉町の天神岬公園では浮体式風力発電を海上の遠くに眺め福島の最先端技術を感じ、福島第一・第二原発が止まっている今、東京への送電の大動脈になっている広野火力発電所を眺めました。
駅舎が撤去されてしまい、ホームが見渡せるようになっていた富岡駅の周辺では、休日にもかかわらず多くの作業員の方が働いていました。
約4年半の間誰も中に入らなかったであろう、富岡町民のみならず周辺町民の憩いの場であったと聞くショッピングセンター「富岡Tom-とむ」は、中の施設がきれいに取り払われ、いつでも新しい什器が入れるように準備されていました。
もちろん、建物が戻っただけでは「復興」と言えません。でも人が戻った地域の人の営み、頑張ろうとしている姿を見ることが出来て、私は少し勇気づけられました。
原発被害だけでなく津波の被害も受け、まだまだそのままの家屋や建物を目の当たりにした他の参加者の皆さんは一様に言葉を失った後、酷いね…、まだそのままなんだね…、津波は本当にむごい…、とつぶやいていました。それもまた事実です。まだまだ傷を負って動けないままの人も多くいるのは知っています。
ただそこにとどまらず動いている人たちの姿をも感じていければなと思っています。
なお、今ツアーの工程は以下でした。
郡山駅
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いわき駅・10:00
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道の駅よつくら港(いわき市四倉)
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浜風商店街(いわき市久之浜)
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二ツ沼総合公園レストラン「アルパインローズ」(双葉郡広野町)
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ここなら商店街(双葉郡楢葉町)
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富岡駅(双葉郡富岡町)
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富岡Tom-とむ、とみおかほっとステーション周辺(双葉郡富岡町)
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岡内東児童公園内、慰霊碑と津波被災パトカー(双葉郡富岡町)
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大川魚店(いわき市四倉)
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いわき駅・16:00
↓
郡山駅
私自身このようなバスツアーに参加するのは2回目でしたが、初めて行ったときには心と言葉の整理がなかなかつかず、ついにこのように記録に残すことが出来ませんでした。
今回は奇しくも前回とほぼ同じ工程を回ることで、つたないながらも書き残すことが出来てよかったなと感じています。(自己満足にすぎないのですけど)
これからも少しずつですが、福島で感じたこと、体験したことを発信していきたいと思っています。
車社会のナゾ
福島県に限らず、首都圏(東名阪中心部)以外に暮らすには、車がないと生活できないのはどこも同じでしょう。
免許を取って数年来ペーパードライバーだったワタシですが、いわきに来て以来は運転せざるを得ず、今日も仕事で、いわき⇔南相馬間(往復約200キロ、3時間超)を運転したのでした。
通勤も車、お休みの日も車、通院も車。
というわけで、運動不足著しい。こちらに来てから、明らかに5キロは太りました。横浜に戻ると、「…一回り大きくなったよね?」と真顔で聞かれます。
でも、こちらの人たちは、そんなに太ってる人多くない、というかみんな普通にスマート。どういう風に運動機会確保してるの?何食べてるの?
車社会の、最大のナゾです。
早く謎を解いて、右肩上がりの体重を何とかしたい!
いわきのコーヒーはオイシイ!
いわき市には、「BREAK」という地元に愛されているコーヒーショップがあります。
名物の「グリルサンドイッチ」と。これでハーフです。
そして伝票の裏には、コーヒーの飲み方が書いてあります↓
今日のコーヒーは、酸味が強く濃いめのもの。ブラック好きの方にはたまらない感じかも。
ワタシはカフェオレ派なので、普段はカフェオレを頼みます。そうすると、酸味は少なく、ミルクの味を生かす浅煎りのコーヒーになっていて、これがまた美味しい。
いわきには他にも、その場で豆を炒ってくれるコーヒーの豆屋さんも何カ所もあって、コーヒー文化が充実してるんじゃないかなーと思います。
いわきに来てから知り合った方が経営している「BROWN CHIP」。
コーヒー豆処ブラウンチップは、自家焙煎のコーヒー豆 専門店です。
お客様のお好みに合わせ、約40種類のコーヒー豆をその場で焙煎し、販売しています。
とくにブラジル下坂農場で収穫され、商社を通さず直輸入した「カルモシモサカ」、
当社スタッフがイエメンまで旅し探し出してきた「イブラヒムモカ」などは、
当店の定番メニューとして支持をいただいております。
すべてオーダーローストですので、注文を受けてから約30分程度お待ちいただくことになります。
他には、上記「BREAK」植田店から徒歩3分ほどのところにある「いーすと」もコーヒー豆、水出しアイスコーヒーなどを専門に販売しています。
カフェ自体は多くないけど、美味しいコーヒーを飲む機会は担保されているのはうれしいなーと思います。
ちなみにいわきには、素敵な隠れ家カフェなんかもあるのですが、それはまた次の機会に。
つながるいわき
いわき市はとっても広いのに、イベントやお店に顔を出すと、示し合わせていないのに、必ず知った顔に会える。
自分たちの住む浜通りで、こんなことをやったら、地域が
面白くなったり住みやすくなったり、もっとより良くなる のでは??
ハマコンでは、「私はこんなことを考えてみたい!」、「こんなことをやってみたい!」というアイデアや思いを、 5分間、50名近くのオーディエンスの前でぶつけてもら います。
5分間の発表内容は自由。申し込みは先着順。発表者は、オーディエンス(応援者)による30分間のアイデア出し の時間が得られます。
そして、オーディエンスから共感を得て、アイデアだけでなく、一緒に活動する仲間や資金を集めることができるの もこのイベントの魅力です。
ハマコンは、浜通りを良くするためにアクションをするプレーヤーを、市民が応援し支えるための、出会いときっか けをつくる場です。あなたも参加してみませんか?
https://www.facebook.com/events/1640047816261858/
ワタシは、この日1組目にプレゼンした「チャリティー活動をしたい小・中学生ユニット
テーマ:私たちに名前を付けてほしい!」のアイディア出しに参加し、見事名付け親の一人になることができました。
(~福島県浜通りを良くするアクションを皆で応援するプレゼン&ブレストイベント~ 『第3回ハマコン(浜魂)』イベントページより)
チャリティーのために福島県浜通りでアイドル活動をしていた女の子ユニットが、とある事情で活動休止せざるを得なくなってしまったのですが、活動を続けたい!という思いを持った小学3年生~中学1年生までの6人のメンバーが新しい名前を付けてほしいとプレゼンしました。
ちなみにこの日集まった参加者とアイディアを出し合って決まった名前は、「Seaside Sisters-浜娘s-」。がんばって欲しいですね。プレゼンの前にパフォーマンスもしてくれたのですが、ホント可愛いんですよ♪
その他のプレゼンやイベントの様子は、いずれオフィシャルサイトに上がると思うので中略しますが、ここで驚いたのは、何人もの知り合いにばったり会えたこと。
復興支援仲間や、いわきのゴスペルサークル体験で一緒になった仲間、職場の同僚、近所に住むアーティスト…。
なにも示し合せてないのに、すごいなぁと感じて、わくわくしちゃったのでした。いわき、いいなぁ!